原因不明の病気や、完治が難しい病気で必ずと言っていいほど
やり玉にあげられる「ストレス」ですが
そもそもストレスって何でしょうか?
ストレスと関連が深い副腎性皮質ホルモンであるコルチゾールの機能とともに考えてみます。
そもそもコルチゾールって?
副腎とコルチゾールは必ずセットで出てくる、
みなさんご存知のステロイドホルモンです。
コルチゾールの作用は
1、血糖濃度のコントロール
2、抗炎症作用
3、リンパ球のコントロール(免疫反応の調整)
4、心臓と血管のコントロール
5、中枢神経への影響
6、ストレスへの対応
あえてコントロールという言葉を使うのには理由がありまして
「多すぎ」また「少なすぎ」の両方に弊害があるからです。
リンパ球のコントロール
コルチゾールはリンパ球をコントロールし、リンパ球は白血球に影響する。
コルチゾールが増加するとリンパ球は減少し、免疫系の過剰反応を抑制する。
反対にコルチゾールの減少でリンパ球は増加、炎症が強くなる。
心臓と血管のコントロール
血圧コントロールにおける動脈壁の収縮にもコルチゾールは関与する。
コルチゾールが多ければ動脈は収縮する。
不足すると血管収縮を起こす体内物質への反応性が低下し低血圧となりやすい。
また、正常な心臓機能に重要なナトリウム・カリウム濃度の調節も行っている。
「朝起きられなくなる」のは
コルチゾールの分泌が低下して血圧が上がりきれないことも関係します。
「ストレスが原因ですね」がストレスです…
「ストレスが原因ですね」
病院に行ったときや副腎疲労だと分かった時、
結局この言葉に行き着く人ってめちゃくちゃ多いと思うのですが、
「ストレス」ってなんだよ!
ってなりますよねw
いったん、この図をご覧ください。
視床下部(Hypothalamus)
脳下垂体(Pituitary)
副腎(Adrenal)
この3つの器官が図のような関係でフィードバックを送りコルチゾールの分泌量が調整されます。
これら3つの器官の頭文字をとってHPAです。
HPA軸機能異常、いわゆる副腎疲労はこの3器官のフィードバックが
視床下部はこれだけの情報を処理します。
そりゃ働かせすぎってもんだw
人間のエネルギー消費の約3割が脳と言われるのもうなずける。
そして結構簡単なことも刺激として受け取るようになっているので
病気になってしまったのは自分のせいだと自身を責める必要はないです。
そして同時に、病気を治せるのも自分しかいません。
コルチゾールはストレスから細胞を守ろうとする
先の図でみた様々な状況に対応するべく、
「ストレス」を受けた副腎はコルチゾールの分泌を増やして細胞を守ろうとする。
細胞にとってのストレスとは
・インスリン過剰
・炎症反応
・有毒化学物質
・電解質(NaとK)のバランス異常
・細胞の脱水
・細胞の損傷
・自己免疫反応
・低血糖
コルチゾールはたくさん分泌できればよいのかというと、そうではなく
例えばストレスを受けて血糖値が上昇できるように脂肪やタンパク質からも糖を切り出す(糖新生)。
その一方で過剰な血糖の有害作用から細胞を保護する働きもする。
(インスリン抵抗性を高め、血糖が過剰に細胞内に取り込まれないようにする。)
つまり血糖に対して正反対のコントロールを行う。
だから、コルチゾールが過不足なく適切に分泌されることを
多くの治療家は一旦の目標とすることが多い。
ストレスは悪なのか?
視床下部への刺激がストレスと呼ばれ、
ストレスというと我々はどうもマイナスイメージを抱くことが多いですが
先の図の視床下部が処理する情報をみると
「これってそんなに悪いことなの?」
って感じるものも多いですよね?
そう、刺激の受け取り方を変えるとストレスは減ります。
例えば、赤い色のついたメガネを掛けると
見える世界が赤色になります。
色付きメガネによって目に入る光の波長(要は刺激)を変えたということなのです。
色付きメガネとストレスを同様に語るなと言われそうですが
基本の考え方は同じです。
ただ、目の場合はメガネを掛けるけど、
ストレスの捉え方には思考や歩んできた人生の経験や環境が大きく関わるので
逆に言うと色々な介入の方法があると言えるでしょう。
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