ビスマルクの格言に「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」というものがありますが、
コロナ後の経済ってどうなるんだろう?という率直な疑問について考えてみる。
スペイン風邪が流行した時代背景
スペイン風邪のパンデミックは1918年、第一次世界大戦中に広がった。
スペイン風邪の「スペイン」は戦争中で世界で情報が検閲される国が多い中、中立国であったスペインでは感染症の被害が自由に報道されていたためにこの名前になっただけで、
発症はアメリカ中西部カンザス州だと考えられているそう。
戦争に向けて当時アメリカが実施した徴兵制による若者の集合、訓練による密集は感染を爆発させるには十分な環境だったと言われる。
このスペイン風邪の大流行で第一次世界大戦の終戦が早まったとも言われる。
スペイン風邪の規模
人類史上、もっとも死者を出したパンデミックと言われるスペイン風邪は当時の世界人口が18~20億人、
うち25~30%にあたる5億人が感染、死者数は2018年American Journal of Epidemiologyの再評価で約1700万人と推定されている。
日本でのスペイン風邪
日本では1918年4月(大正7年)に当時日本が統治していた台湾にて巡業していた大相撲力士3人が謎の感染症で急死し、
同年5月の夏場所では高熱などにより全休する力士が続出したため、世間では「相撲風邪」や「力士風邪」と呼んでいたそうな。
(この辺はWikiに詳しく載っとります。)
その後8月にスペイン風邪が日本に上陸、10月に大流行が始まり、収束までに3回のピークがあったとされ、
1.1918年10月から1919年3月(6か月)
2.1919年12月から1920年3月(4か月)
3.1920年12月から1921年3月(4か月)
いづれも冬場に集中していて、この点はCOVID-19とも相似している。
スペイン風邪の経済への影響は大きくなかった?
意外だけど、感染者数や死者数から受ける数字の大きさの印象とは裏腹に、スペイン風邪は経済にそれほど大きな打撃を与えなかったと言われている。
それよりも第一次世界大戦という戦争による特需がもたらす経済効果の方が大きかったから。
終戦後、一旦の落ち込みの後、イギリスもアメリカも1929年の世界恐慌に陥るまでは好景気であったのと対照的に
戦後の日本は不況からなかなか脱却できずにいるうちに1923年に関東大震災が起こり経済にさらなる打撃を与える。
こうしてみると、パンデミックが起こったから好景気・不景気に動く、という見方では本質を見誤ってしまいそうだ。
アフターコロナは
— ホヤMAX (@max_hoyamax) March 13, 2021
💡楽観的に以前の行動様式に戻る(A)
💡行動の抑制が続く(B)
という二者択一に陥りがちだけど
👉新しいテクノロジーによって行動様式が変わる(B')
って自由でリアリティがあると思う
流れに乗ろう https://t.co/N3vYTfCVBg
要はパンデミックによる行動様式の変化や技術革新にうまく対応していくことは経済効果をもたらすし、
乗り遅れれば、すなわちそれは経済損失につながる、というのがアフターコロナの世界線であり、
スペイン風邪(インフルエンザ)流行の後も世界は同様の変革を突き付けられ、
明暗が分かれていったのではないだろうか。
落合陽一先生の本にしてはちょっと古いものですが、何となく置いておこう。