分子栄養 婦人科

多嚢胞性卵巣症候群とインスリン抵抗性

2021年1月25日

多嚢胞性卵巣症候群、略してPCOS

これがどうやらインスリン抵抗性と深い関係があるということで調べてみた。

女性ホルモンの機序

上記のように性ホルモンの機序はやはり複雑なフィードバック機能が働いている。

子孫を残し種を保存する、ある意味で生物としては最も重要な機能であり、

視床下部、脳下垂体、卵巣のいずれかに不具合があれば生殖機能に異常が生じる、とてもデリケートな器官でもある。

仮に卵巣に異常が起こったとして、卵巣はもちろん脳下垂体や視床下部へのアプローチも同時並行的に視野に入れた方が近道に見える。

LHの高値が意味するところ

これ、昔 ものすごい精神的ストレスがかかったときの血液検査で黄体形成ホルモン(LH)が、通常なら10mIU/mL以下のところが

17.3という異常な数値をたたき出した時のもの。

ちょうどこの記事を書いていたころのもの↓

要は脳の視床下部に強いストレスが掛かって排卵障害が起きていたのね。

LHの高値は多嚢胞性卵巣症候群(略してPCOS)の診断項目のひとつなんだけど、

この他に

  • 月経異常(無月経、稀発月経etc…)
  • 超音波検査で卵巣に多数の小さな卵胞が見られる

この3つを満たすと確定的になる。

PCOSとインスリン抵抗性

そして多嚢胞性卵巣症候群、略してPCOSでは同時にインスリン抵抗性が見られ、強い相関があると考えられている。

インスリン抵抗性については下記事参照

海外ではPCOSとインスリン抵抗性が肥満と結びつく症例が多いんだけど、

日本人では痩せ型PCOSにも関わらずインスリン抵抗性を合併している頻度が高い。

インスリン抵抗性がPCOSを誘発するのかと勘ぐってしまうけれど、

どうやらそうではなさそう。

鍵を握るのはアンドロゲン?

LH(黄体形成ホルモン)が上昇すると男性ホルモンであるアンドロゲンの産生が亢進(増えすぎること)する。

興味深いのがPCOSの治療で卵巣に(外科手術によって物理的に)小さな穴を開けるというものがあって、

これを行うと、排卵が回復してアンドロゲンも低下するんだって。

これはインスリン抵抗性にアプローチしないのよ。

つまりアンドロゲンが過剰だとインスリン抵抗性を亢進させたり、PCOSの症状を強めるんじゃないかって仮説が立つ。

 

 

 

 

 

 

 

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