「花粉の体内への取り込み量は決まっていて、それを超えると花粉症になる」
とよく言われますが、
その暴露量というのは結局のところ個体差がある。
それには免疫抗体が関係しています。
単純な暴露量の問題だけなら田舎の爺ちゃん、婆ちゃんみんなとっくに花粉症になっているはず。
この記事を読むと花粉症と免疫抗体の関係が分かります。
今回積ん読していたこちらのKindleを久々に開いたのであった。
免疫抗体IgE、そしてIgAとIgG
花粉症・アレルギーの原因と言われる免疫抗体がIgE
本来は寄生虫の撃退を目的に発達したと考えられているそうな、知らなかった。
花粉症やアレルギーはIgEが活発に働くことで起こる。
そのIgEを中和する役割を果たすのがIgAとIgGで
IgAは粘膜における免疫の主役で、IgGは粘膜以外の全身を主戦場とする抗体。
この2つがIgEが体外からの侵入物質(花粉)に対して鳴らす警戒ベルを中和する働きをする。
花粉への暴露が一定量に達すると花粉症になる?
これ皆さんも聞いたことある話だと思う。
だったらまだ花粉症になっていない人も、すでに花粉症になってしまった人と同様に花粉を防御するメガネやマスクを着けたほうが良いのか?
って疑問じゃないですか?
このメカニズムに関する有力な仮説は、暴露されるたびに抗体を産生するリンパ球由来の細胞(形質細胞と呼ばれる)が製造され、その中に4、5年も生きる形質細胞があり、暴露が重なって形質細胞の数が増し、産生されるIgE抗体の増加が突然の発症に関与する、というもの
(略)
また、抗原を提示する抗原提示細胞はそもそも長生きで、その細胞がスギ花粉の抗原情報を保持していて、リンパ系への抗原の提示を継続している可能性も指摘されています。
斎藤糧三(2012)サーファーに花粉症はいない column1より引用
つまり単純に花粉への暴露(吸い込んだ)量だけを気にしても仕方がないということ。
杉の木がガシガシ生えてる田舎で農作業してるじいちゃん・ばあちゃんの方がよっぽど花粉に対して暴露してるはずじゃん?
同じ量を吸い込んでも発症しない人とする人がいて、
そのカギはむしろ免疫抗体をうまくコントロールすることにありそう。
一般ピーポーだったころは「免疫抗体をコントロール?無理でしょ」って思って終わりでしたが、
栄養療法という道具を手にしたピーポーなので
その辺はある程度自分で改善していける想像がつく。
具体的な方策について書いた記事がコチラ
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花粉症にはビタミンDのワケ
花粉症は免疫抗体の過剰な反応によって起こります。ビタミンDはその免疫抗体の過剰反応を抑制してくれる働きがあります。
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アジュバント(抗原性補強剤)が厄介
そう、最近の花粉はただの花粉ではない。
そもそもスギの植林事業によって昔よりもスギ花粉飛散量は拡大しており、
そこに排気ガスや黄砂が引っ付くことで凶悪性を増す。
というのも、黄砂や排気ガスはそれ単体でも粘膜に炎症を引き起こし、
花粉と一緒になることでアジュバント(抗原性補強剤)として働いて症状を悪化させるそうな。
なんという罪深さ…。
次回は栄養療法的に考えられる対処方法について。
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