ちょっとひと息

水銀の持つ歴史と魅力が異常な件

水銀って特別な物質だなぁと常々思う。

昔の為政者たちがこの鉱物に心を奪われ、時には命までをも奪われた。

それほどの魅力が、この物質にはあるんだよね。

水銀とその原鉱である辰砂について。

宝石の国の「シンシャ」

シンシャとはすなわち辰砂、硫化水銀。紅い色をしている。

漫画 宝石の国ではこの辰砂が擬人化されていて、

自身の生体から毒を発して触るものを全て傷つけてしまうため他の宝石たちとは距離を置いて生活をしている。

 

だけどすごく知性があって主人公のフォスフォフィライト(透き通ったエメラルドグリーン色の宝石)にヒントを与える、

とても存在感があって特別なキャラクターとして描かれる。

ハガレンの「賢者の石」もまさにそれ

鋼の錬金術師に出てくる赤い「賢者の石」もあれは水銀がモチーフだよね。

水銀は鉱物なのに常温では液体の形状をとる。

錬金術と水銀の関わりが深いのは、水銀が他の金属を溶かしてアマルガム(合金)をつくるという特性による。

 

ハガレンの作中には東の国から「不老不死」を求めて錬丹術士の少女メイ・チャンが登場する。

辰砂の別名・丹砂ともいい、この丹(硫化水銀)を原料とした薬を服用することで不老不死が手に入ると当時は信じられており、

中国 唐の皇帝が丹薬の害によって何人も亡くなっていることが旧唐書や新唐書といった歴史書に残っているそうな。

丹砂を加熱すると硫化水銀が還元されて水銀を生じ、水銀に硫黄を反応させるとまた丹砂に還る。

辰砂は有機水銀に比べて水に溶けにくく、毒性が低いと考えられており漢方薬にも使われている。

(朱砂安神丸と言って神経質、ノイローゼ、不眠症などの改善を目的に使用されるみたい。)

空海が高野山を選んだ理由も?

真言宗の祖、空海またの名を弘法大師が高野山を拠点とした理由にも水銀が絡んでいるのではないかという説がある。

実は高野山は昔は辰砂の一大産地であった。

しかしなぜ仏教と水銀なのか?

まずは仏像の金メッキの精錬に水銀が使われたことが挙げられる。

また遣唐使として唐に渡った経験のある空海が現地で錬丹術に触れ、この鉱物の重要性を理解していたからではないかと推測される。

 

詳しく知りたい人は是非 上記ムーを読んでみて。

めちゃくちゃ面白いよね。

 

 

 

 

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