あまりにもマニアックな成果物って
1周まわって初心者フレンドリーな内容だったりする。
そういうモノを探させたら結構上手な私が今回ご紹介するのが
セオドア・グレイ博士の「世界で一番美しい元素図鑑」
とにかく写真が綺麗でど迫力。
セオドア・グレイがカメラマンだとしたら、
各元素の特徴が一番美しく見える形でポートレートに収めてくれている
そんな不思議な感覚。
これ、小さいお子さんがいる家庭にも向くと思うし、大人も楽しめる。
今どきはKindleで買うパターンが多いかもしれないけど、
これは実物を大切に手元に置いておいてほしい、そんな一冊。
わたしの小さいころにこの本が家にあったなら
理科が大好きになっていたに違いない(笑)
セオドア・グレイって何者?
本業はアメリカのプログラマーで職業科学者ではなく、
アマチュア・ケミストだそう。
大学は化学科を卒業して、自宅で科学実験を趣味として楽しんでいる変態…
おっと失礼。
マニア趣味が高じて世間に評価された、
- 第一級のポピュラーサイエンス・ライター
- 熱烈な元素コレクター
- 写真家
であり、プログラマーとしてもスティーブ・ジョブズと深い親交があったりと腕の立つ方。
図鑑では各元素に添えられた博士のコメントがとにかくクセが強い(笑)
自分が小さいころに初めて自作した金属だとか、
全く共感はできない内容ばかり(笑)
だけど「素人の言葉」で書いてくれているから私たちも楽しめる造りになってる。
お気に入りの元素
個人的に面白かったのはCd(カドミウム)のページ。
環境にも人体にも蓄積して長期にわたる害を与えるカドミウム。
イタイイタイ病の原因物質として社会で習ったやつ。
印象派の画家たちに愛された鮮やかな黄色顔料カドミウムイエロー
(中略)
クロード・モネは絵の具は何を使っているのかとたずねられて
「私が使うのは鉛白、カドミウムイエロー、バーミリオン(朱)、マダー(茜)、コバルトブルー、クロムグリーン。それだけだ」
と答えたとされています。
バーミリオンっていうのも硫化水銀で、モネのお気に入りは毒入顔料のオンパレード。
重金属の身体への影響を想像しただけでゾッとできちゃう絵面ですな、画家だけに。