分子栄養 腸管関係

【GERD】繰り返す逆流性食道炎は完治できるのか?

2022年1月27日

うちのおばばが逆流性食道炎になって

「胃酸を抑える薬」、いわゆるプロトポンプ阻害薬(Proton Pump InhibitorでPPI)

を処方されていたのですが、

効かないと言って途中から飲まなくなったんです(笑)

それで、別のアプローチは無いものか考えていました。

胃食道逆流症(GERD)の分類

逆流性食道炎は胃食道逆流症(Gastro Esophageal Reflux Diseaseの略でGERD)に分類されますが、

どれも胃の中の酸が食道に逆流して

胸やけ、呑酸(酸っぱいのが上がって来る)の不快症状や食道粘膜が炎症を起こします。

1.食道粘膜のただれが無く自覚症状のみがある(非びらん性胃食道逆流症)

2.食道炎があり、かつ自覚症状もある

3.自覚症状は無く、食道炎のみ

この食道にただれのある2・3が逆流性食道炎です。

うちのおばばは2のパターンです。

「胃酸が少ないこと」がすべての根本原因なのか??

Naturopathic Currentsという自然療法のニュースサイトで

胃食道逆流症を取り上げていたのですが、

根本原因を「胃酸が少ないこと」としていますが、根拠にあげている資料だけだと説得力不足な感じ。

胃酸が少ないことも関連するのでは?という個人的な推測は持っていましたが、

もう少し直接的な研究成果があると嬉しいですね。

下部食道括約筋が緩んでいる

下部食道括約筋という胃と食道のつなぎ目の筋肉が緩むと逆流が起きてしまうのですが

緩む原因には

加齢・胃内圧の上昇(食べ過ぎや早食い)・腹圧の上昇(肥満や衣服による締め付け)・高脂肪食

があると言われます。

下部食道括約筋が緩んでしまうことが直接的な原ですね。

胃酸の分泌を抑制する薬(PPI)の長期服用について

PPIの処方は、まずは胃酸を抑えて食道の炎症を治すことを念頭においているんですね。

胃酸の分泌を抑える薬(PPI)は8週間程度の内服で処方されることが多いようですが

それをはるかに超える期間服用したいものではないですね。

ただ、胃腸症状と同様に繰り返しやすそうな病態だなとも思います。

完治するのか?

ココで疑問なのが完治するのかしら?ということです。

PPIによって食道の炎症が治ってもまた胃酸が逆流を起こせば

食道炎の再発や別の消化器官で問題が起こっても不思議ではありません。

胃食道逆流症をわずらっている時点で胃の機能低下があると認識できるワケですし。

そこは薬ではなく栄養療法的な視点や自然療法的アプローチが役に立つのかと思います。

予防医学的な観点ともいえるかと。

日本人であり、高齢であること

もともと胃酸分泌が多くないと言われる日本人の、

さらに高齢者であれば胃酸分泌が低下している人の方が多いだろう予測のもと、

個人的に見ても、うちのおばばの日ごろの食事はタンパク質リッチとは言い難く、

逆流性食道炎を発症後、肉を食することへのハードルが(無意識のうちに)あがった可能性もあり。

タンパク質摂取の観点からしたら

タンパク質食べる機会が減る→消化力低下→さらにタンパク質食べる機会減る

という負のループに突入することを避けたい。

自然療法的なアプローチ

胃食道逆流症(GERD)における対処として炎症への対応と、低胃酸への対応とがあります。

炎症に対するアプローチ

甘草(DGL)を摂る

甘草(リコリス)に含まれるグリチルリジンという成分を除いたDe-Glycyrrhizinated Licorice の略でDGL。

グリチルリジンは甘草根に含まれる成分ではあるけど、

副作用にアルドステロン様の作用があるため日本では1日の摂取量が200㎎に制限されています。

リンクはその成分を除いたチュアブルタイプのDGLです。

Natural Factors, DGL、デグリチルリチン酸甘草根エキス、チュアブルタブレット90粒

DGLはGERDや胸やけのほかに胃潰瘍や十二指腸潰瘍にも使われるようです。

亜鉛を摂る

もういつもここを捲ってくださっている皆さまにご説明は不要のことと思いますが

皮膚や細胞修復には必須のミネラルですね。

元記事ではカルノシン亜鉛が紹介されているので、

それを貼っておきます。

Doctor's Best, PepZin Gl(ペプジンGI)、亜鉛-Lカルノシンコンプレックス、ベジカプセル120粒

マスティックの樹液

ギリシャのヒオス島にのみ生育するマスティックの木から採れる樹液が

伝統的に胃炎や消化性潰瘍、ピロリ菌に使われてきたそうです。

採取できる量が少ないのか、価格はちょっとお高め。

またウルシ科の植物ということなのでウルシオールが合わない方もいらっしゃるのではないでしょうか。

California Gold Nutrition, Mastic Gum, 500 mg, 60 Veggie Capsules

炎症性のある食品の摂取を減らす

小麦製品(グルテン)、乳製品(カゼイン)、辛い食べ物、かんきつ類、トマト、コーヒー、ペパーミント、チョコレート、アルコール等が挙げられています。

低胃酸への対応

もしピロリ菌があれば治療をしたいですね。

順序としては前項の炎症対策を行った後で胃酸を補助していく対応をしていきます。

・ベタインHCLを飲む

・食前にリンゴ酢を飲む

・暴飲暴食を避ける等、胃内圧の上昇を避けるための食習慣の変更

・胃にやさしい食品を摂る

・副交感神経を機能させるため、食事の前に深呼吸し、時間をかけて食事をする

ざっとこんな感じですが、

一番最後の副交感神経の項は面白いと思いますし、

心掛けひとつで実践可能なうえにノーコストで行える行動ですね。

うちのおばばに実践してもらおうと思います(笑)

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